しかくいおとうふ

資格フェチの私おとうふが、資格取得を目指すさまを主に自分に向けて発信します(キモ)。

マンションの建て替えについて、マンションフロントマンとマンション管理士が話すよ

はい、はてなPROとなりましたおとうふです。いまのところ実感はない。

 

このブログを見てもらうと、おとうふが資格を取る人目指す人なんだろうなというのはわかっていただけると思うのですが、取った資格を使うというところをお見せ出来ていないと思うんですね。

 

ということで今回はマンションフロントマンとマンション管理士という2つの立場から、マンションの建て替えについて語ってみたいと思います。

 

 

なぜ「建て替え」が必要なのか

マンションは設備が古くなったり壊れたりしたら直します。ただ、年数を重ねていくと「修繕」することにコストがかかりすぎるため全部壊して同じ敷地にマンションを作り直す「建て替え」というお話が出てきます。鉄筋コンクリートの建物はそれ自体は強固であるため、大きな災害等がなければある日突然バラバラに崩壊する可能性は非常に少ないです。ただし「鉄筋コンクリートの建物が存在し続ける」ことと「人が住めなくなる」「住みたい人が減る」ことは明確に分ける必要があります。

 

マンション管理会社は建て替えの議論は好きじゃない

マンション管理会社としては「建て替え」について消極的な場合が多いです。理由は「すこぶる面倒」だからです。建て替えをやると思えば1年2年で出来る話ではありません。構想から数えると5年10年なんて話もあります。ましてや建て替えは全国的に事例が少なく、規模によってはマンション管理会社にそのノウハウがあるかどうかも怪しいです。そして建て替え後の管理組合から管理委託を受けられるかどうかも微妙です。

と考えるとマンション管理会社としては建て替えしないで修繕し続けるほうがいいかなって思うのはご理解いただけるかなと思います。

 

人が住めなくなるということ

 

人が住むためには屋根や壁があればいいかと言うとそれだけでは足りず、電気ガス水道等のライフラインが必要です。電気の配線やガス水道の配管等は取り替えに大きな費用が必要です。

ただ、2000年代新築のマンションは「スケルトンインフィル工法」といって配管を一箇所にまとめて修繕・交換がしやすいようになっているところもあります。大きな費用がかかることに変わりはありませんが、私が管理したことのあるマンションのように「給水縦管がスラブに囲まれて交換どころか漏水箇所の調査も出来ない」なんていうことはないかと思います。

 

 

住みたい人が減るということ

 

古くなったマンションは設備の陳腐化のみならず、修繕積立金の値上げによる固定費の増加ということも発生します。これは決して悪いことではなく、マンションの維持という観点から考えれば必要なことです。ただ、私もフロントマンとしてこの視点が欠ける事があるのですが、各個人としては「マンションを手放す」という選択肢があります。他のマンションを買う、実家に戻る、子供が二世帯住宅建てた等。

職務としてマンションを担当しているだけになっていると「今いる組合員は当然修繕をしながら住み続ける」としか思わなくなってきます。当初はそれでも需給のバランスは多少あれど「売りたい方」がいれば「買いたい方」もいるため、組合員が入れ替わるだけで大きな問題はありません。しかし、築年が経過したマンションを担当していると「買いたい方」が必ずしもいるわけではないということがわかります。極端な例としては越後湯沢のリゾートマンションが50万円とか60万円とか市街地では考えられない金額で売りに出されておりますが、数年買い手がつかないなんていうのはザラです。ババ抜きみたいに持たされて、使わないのに毎月管理費が数万円発生するなんていう状況に陥っている方も多くいらっしゃいます(この状態を価値を生まない不動産という意味でということで「負動産」なんて言ったりします)。この状況が市街地で発生しているというのが「住みたい人が減る」ということなのです。

 

不人気マンションの行く末

 

以上の不人気マンションは魅力が無くなった、生活に不便になった、修繕積立金が無くなった等々さまざまな問題が発生します。では、この問題山積のマンションはどこかのタイミングで社会的役割を終えたという理由で解体されるのでしょうか。

 

答えはノーです。解体されずに残り続けます。

 

ちょっとマンションのことを知っている方であればこの回答に異議を唱えるはずです。「区分所有法で5分の4以上の賛成があればマンションを建て替えられるはず」と言ってくるはずです。

もちろん、そういう条文がありますし、手続きについても「マンション建て替え円滑化法」という法律がありますので制度上は可能です。

 

しかし、本当に実施出来るでしょうか。

 

能力があってお金がある人はさっさと古マンションを手放しています。

代わりに入ってくる方はどんな方でしょうか。

老人ホーム代わりに購入し、おばあちゃん1人が住んでいたりしませんか。

投資だと不動産屋に騙されて、訳ありみたいな人に相場より安く貸し出したりしてませんか。

生活の基盤が不透明な外国の方だったりしませんか。

 

そういった方と旗振ってコミュニケーション取って今の古マンションを建て替えできますか。またその情熱はありますか。

 

出来るとおっしゃる方も多いでしょう。ただ、私が担当した築40年以上のマンションの役員さんは「面倒な話は私が死んでからやっとくれ」なんて冗談かどうか怪しいことを言って俎上にも乗りませんでした。1件だけでなく複数件(私がフロントマンとして未熟で熱意を感じず頼るに値しないということで話してくれないという大いに可能性はありますが)。

 

「マンション建て替え」は少なくともマンションフロントマン経験10年程度の私からは、修繕をやっていただくための当て馬的提案であり「修繕しないと建て替えがくるぞー」というなまはげ的存在なのであります。

 

マンション建て替えハードルの地域格差

 

非常にゴニョゴニョうるさく書きましたが、東京都等「マンションの価値が高い場所」であれば、この状況を「儲けに変えられる」と思って積極的に提案してくれる方(マンションデベさんとか、コンサルタントさんとか)がいらっしゃると思います。「今のマンション潰して、容積率一杯まで建物建てて、売却益で皆様の建物代金一部負担しますよ」なんて提案があればもうちょっと違うのかもしれません。

 

上記の話は私が働く新潟県のお話です。新潟県ではこのスキームは難しいです。同じ広さのマンションで施工費は一緒でも、販売価格が半分とか3分の1とかですからね。

 

 

 

以上、私のマンション建て替えについての偏見まみれの私見でした。なんとなく「建て替えって難しいんだなー」っていうのがわかっていただければ幸いです。